【過去】相談できる職場作り

私の企業コンサルティン後の中であったお話です。

その会社は比較的規模のある会社で成長企業の中に入る部類の会社だと思います。
問題としてあったのは、社員一人一人に対しての業務量の多さ…その上で残業をほとんど許可しないとのことでした。
そのため、社員同士のコミュニケーションが乏しい環境となってしまっていたようです。

私は直感や経験則から、すぐに管理職の日々の稼働状況をヒアリングしました。
管理職となる上司も業務量が大きく、管理機能が非常に低いような状況でした。
私は下記のような例を挙げて、改善を提案した経験があります。


以下、例を挙げます。
・上司のもとに、お客様から問い合わせがメールでありました。
 ↓
・上司は中途採用の新人の部下にそのメールをプリントアウトし、返信を任せるとだけ言い、自席に不在の状態となりました。
 ↓
・その部下は周囲にどう返すか相談しようとしましたが、繁忙期により明らかに周囲も忙しくしていたため、自身の経験則と一般論を書き可能な限り丁寧な内容で書き上げ、上司にも確認を取ろうと思いましたが、終日自席に不在だったため、これをお客様にメールを返しました。
 ↓
・後日、再度上司へそのお客様より問い合わせがあり、更に知りたい部分がある、納得のいかない部分があった旨の内容が記載されていました。
 ↓
・上司はなぜ返信前に正しいかどうかの確認をとらなかったのか憤慨し、部下は最初に適切な指示を受けておらず、不在で確認も取れなかった…と対立してしまいました。

…上記の問題点はいくつかあるとは思います。
まず、部下に特に新人へ仕事を振るならば、もう少し丁寧な対応が求められるでしょう。
プリント1枚渡して、ハイお願いではいわゆる「丸投げ」です。
部下の行動、言論の一つ一つに責任を取れる覚悟があって初めて上司と言えるのではないでしょうか。

また、こういった上司は往々にして自席にいないことが多いです。
自身もプレイヤーとして動いてしまっているため、肝心の管理の部分が抜け落ちてしまうのも否めないでしょう。

上記の場合の部下も可哀相な立場です。
繁忙期に入社して、周囲となかなかコミュニケーションが取れる状態ではなかった…であればこれを見越して入社時期をずらすとか、例え忙しくても一人メンターとなる先輩社員を付けてOJTをするとか、いくらでも方法はあったはずです。

最後に、なぜ上司と部下の対立構造が生まれたのか…これは全て上司に責任があると言っても過言ではありません。
職場環境を作るのも、良くするのも上司の仕事です。
あの部署は変わった…あの部署は優秀…全て上司の努力と苦労の結果です。


しかし、現実にここまで動く上司というのは稀有な存在でしょう。
私自身、過去の4~5回の転職経験で職場環境の改善を訴えたことはありますが、受け入れられたのは1社のみでした。
逆に言えば、上司も日々に追われている立場なので、「相談できる職場環境を作ってください」…何て言ってもまともに取り合ってくれることの方が珍しいくらいです。

「相談できる職場」というのは、やはり職場環境改善の中でもユートピア的な存在なのかもしれません。


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